2006.02.18

読書のはなし

 子どもの頃から学生時代まで、ほとんど本を読んで来なかった。そういうわけで、大学を卒業したヒトなら最低限読んでおくべき書籍に関する知識や造詣がほとんどないのだ。もっと遡れば、小学生のうちに読んでいるべき本、中学生のうちに読んでおくべき本なども、全く読まずに通過してしまっているので、本当にヒトと比べて知識や教養に乏しいのだ。漫画や雑誌も読んだ量は人並み以下である。
 そんな私も社会人になってから僅かに本を読む様になった。それでもお金が惜しいので日常的に読むのは文庫本どまりであった。文庫本というのは基本的に最新の著作でなく、大量に増刷できるクラスの、ある程度評価が固まった作品である。ハズレは少ないが、目新しさも少なかったりする。本当に読書が好きなヒトはお金を惜しまず読みたい本はどんどん買いあさり、家は本で埋め尽くされる、という状況になるらしいが、文庫本ばかり読む私の周りはすっきりしたものだった。
 その後、結婚して最初に住んだところが図書館のすぐ近くだったので、いつの間にか「タダで」本を読む習慣がついた。図書館は最新刊などは人気で読みたい時に読む、ということは難しいが、それ以外であればいくらでも本はある。ちょっと興味を持ったら気軽に持ち帰って読むことができるので、高い金を払って失敗した本を買ってしまったりして後悔することもない。思う存分読書が楽しめるのだ。
 最近ではだいたい週2冊ペースで本を読むようになった。この歳になってはじめて知ったのはもう手遅れだが、本というのは先人や偉人の知恵・経験がてんこもりにつまっていて、もっと感性の豊かな若いうちに読んでいれば、人生も変わったものになっていただろう、と後悔するのである。
 そして若いうちに本を読んでさえいれば、このブログの文章ももう少しまともになったはずなのである。少年老いやすく・・である。

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2004.03.03

上海人の愛読書

 数年前、妻と上海に旅行に行った時、旅行の2日目に我々二人専属のツアーガイドをつけてもらった。日本語であちこち案内してもらうかわりに、交通費、食費はこちらもち、という契約だった。小龍包の老舗に行ったり、テレビ塔にのぼったりと、お決まりの観光コースを回った後、魯迅記念館に行った。魯迅は日本とも関係の深い作家であるが、中国国家の支援を受けて、非常にお金をかけた記念館となっていた。そこを出る前に少し休憩をしたのだが、ガイドさんが「魯迅は確かに偉大な作家ですが、我々はどちらかというと銭という作家の「囲城」という本を良く読みます。」と言っていた。魯迅が国家に賞賛される作家だとすれば、「囲城」の作家は日本の夏目漱石のように、国民に愛される作家なのだろう、と思った。
 日本へ帰って調べると、岩波文庫から「結婚狂詩曲」と言う名でその作品は出版されているのだが、既に絶版になっている模様。神田古書店街のいろんな本屋を回ったが、なかなかみつからない。偶然チェーンの古本屋で上巻を250円で発見。下巻を岩波文庫の専門店や絶版本の専門店で探したがなかなか見つからず、やっとみつけると、上下巻あわせて数千円のお値段。絶版本なのでプレミアがついているのだろう。発売当時の価格は500円程度なのに。逆に価値のわからないチェーン系古書店の方が安く買えるのでお得。結局購入はあきらめて、地元の図書館で下巻を借りて読んだ。
 内容は皆さんに読んでいただくとして、日本軍の南京攻略時の時代の空気が伝わったり、単純な反日一辺倒ではない、呑気な(だらしない?)中国人の一面を垣間みれる興味深い本だ。
 今までツアーよりも完全な自由旅行を愛していたが、日本語をしゃべれる現地のガイドから、こうした文化的な情報を得られるツアーも、なかなか得るものが多い。

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