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2004.03.03

上海人の愛読書

 数年前、妻と上海に旅行に行った時、旅行の2日目に我々二人専属のツアーガイドをつけてもらった。日本語であちこち案内してもらうかわりに、交通費、食費はこちらもち、という契約だった。小龍包の老舗に行ったり、テレビ塔にのぼったりと、お決まりの観光コースを回った後、魯迅記念館に行った。魯迅は日本とも関係の深い作家であるが、中国国家の支援を受けて、非常にお金をかけた記念館となっていた。そこを出る前に少し休憩をしたのだが、ガイドさんが「魯迅は確かに偉大な作家ですが、我々はどちらかというと銭という作家の「囲城」という本を良く読みます。」と言っていた。魯迅が国家に賞賛される作家だとすれば、「囲城」の作家は日本の夏目漱石のように、国民に愛される作家なのだろう、と思った。
 日本へ帰って調べると、岩波文庫から「結婚狂詩曲」と言う名でその作品は出版されているのだが、既に絶版になっている模様。神田古書店街のいろんな本屋を回ったが、なかなかみつからない。偶然チェーンの古本屋で上巻を250円で発見。下巻を岩波文庫の専門店や絶版本の専門店で探したがなかなか見つからず、やっとみつけると、上下巻あわせて数千円のお値段。絶版本なのでプレミアがついているのだろう。発売当時の価格は500円程度なのに。逆に価値のわからないチェーン系古書店の方が安く買えるのでお得。結局購入はあきらめて、地元の図書館で下巻を借りて読んだ。
 内容は皆さんに読んでいただくとして、日本軍の南京攻略時の時代の空気が伝わったり、単純な反日一辺倒ではない、呑気な(だらしない?)中国人の一面を垣間みれる興味深い本だ。
 今までツアーよりも完全な自由旅行を愛していたが、日本語をしゃべれる現地のガイドから、こうした文化的な情報を得られるツアーも、なかなか得るものが多い。

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Comments

本を読む前にまず反日かどうかという先入観で頭が固まれたのはよくないと思います。 この本を読むのは今回五回目です。前回は7年前だった。作家唯一の長編小説でしたが、世界中人気があったようです。「中国人の作品」を忘れてください。人間の作品として味わっでください。きっとその真意を味わえるでしょう。
日本語勉強の目的を持ちながら六回目は「結婚狂詩曲」を読みたいと思います。情報ありがとうございました。

Posted by: 海東 | 2005.05.21 at 01:20 AM

海東様、コメントありがとうございます。
「結婚狂詩曲」は純粋に小説として面白かったですね。本を読む前に戦争の様子を記述した中国文学が、「反日」であるという先入観を持っていた訳ではないのですが、あの凄惨な戦争を客観的に眺めるという、中国文化の多面性の一部を垣間みた次第です。
海東さんのコメントの内容から察するに中国からの留学中の方の様ですが、上記の通り残念ながら、日本語版「結婚狂詩曲」(囲城)は絶版のため、入手が困難かと思われます。図書館等あらゆる方法を駆使して、日本語の勉強に活かされることを陰ながら応援しております。では。

Posted by: cornflake | 2005.05.21 at 10:27 PM

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Posted by: Florrerce | 2010.02.28 at 01:48 PM

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